祝姫
煤払家の男子は代々、一定の歳を迎えると親元を離れて独り立ちする。
そして誰にも頼らずに心身を鍛え、それを以て一人前と認められたそうだ。
だからこの日に備え、一人で生活する為に様々なことを身に付けてきた。
県立須々田高校。そこが僕の新しい学校だ。
本当なら、2年からの転校ではなく、1年の時に入学する予定だった。
高校での毎日は、気楽なだけでなく、とても快適。
誰もが楽しげに過ごす2年A組。
しかし、彼女。黒神十重(クロカミトエ)。
彼女は、不思議、……という言葉だけでは説明のつかない少女だった。
胸には片時も離すことなく、日本人形のようなものを抱えている。
知らぬ間に髪の毛が伸びている呪いの人形に違いない、などと囁く者もいる。
そう言われても不思議のない、薄気味悪い人形だった。
でも、そんな彼女との出会いは運命だったのかもしれない……。
いや、これは運命だったのだ。
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