EXTRAVAGANZA ~蟲愛でる少女~
薄汚れた床の上に、少女の子供は産み落とされた――。
救いの手はなく、抗うだけの力も持たず、ただの道具として扱われる日々。
求められた苗床という役目は、少女から家族や友人、普通の生活、そして処女といった様々なものを奪い、薄暗い部屋へと閉じ込めた。
眼前に在るのは、おぞましき異形の生物。
腐臭漂う粘ついた触手が、少女のきめ細やかな柔肌を這いずり回り、ありとあらゆる孔に潜り込んでいった。
終わりはどこにあるのか。
果てには何があるのか。
膨らんだ腹の中で何かが蠢く苦痛に苛まれながら、やがて少女は汚物とともに蟲を産む。
快楽と苦痛の終わりに、恐怖と狂気の果てに、自らの子供を胸に抱いて泣いた。
「あたしと一緒に……来る……?」
唐突に得られた自由。
月の明るい夜に、少女は久しぶりに外に出た。
血まみれのシーツを身にまとい、裸足で冷たい大地の上に立つ。
行くべき場所などなかったが、少なくとも独りではない。
傍らでは一匹の蟲が、まるで母親に甘えるように少女の足に擦り寄っていた。
そして――以降十五年に渡る、少女の物語の幕が上がる――――。
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